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エンジニアからプロダクトマネージャーになる方法

こんにちは、河口です。 INVOYというサービスのプロダクトマネージャーをしています。
私がOLTAに入社したのは2021年12月で、それまでは複数社でエンジニアとして働いていました。
このブログは、私の経験を元に、プロダクトマネージャーを目指しているエンジニアや、エンジニアをコンバートすることで社内のプロダクトマネージャーを増やしたい人事担当者の役に立てればと思って書きます。

エンジニアとしてのキャリア

エンジニアとして、人事向けのSaaSプロダクトの立ち上げからグロースを経験しました。その際、プロダクトを通して世の中に価値を届けるには、ユーザーに近いところで活動することが重要だと感じるようになりました。
そんな中、2018年にカスタマーサクセスという考え方に出会い、カスタマーサクセス x エンジニアであるCRE(顧客信頼性エンジニア)になりました。CREとしてユーザーの声をもとにプロダクトを改善していくという活動を軸に、様々なプロダクトや役割を経験していきました。

CREになったきっかけなど、詳しくはこちらの記事もぜひご覧ください。

プロダクトマネージャーになったきっかけ

OLTAとはCREとして転職活動をしていたときに出会いました。 結果、CRE兼プロダクトマネージャーというポジションで入社することになりました。

OLTAは、INVOYというサービスがこれからどんどん拡大していくなかで、ユーザーとエンジニアをつなぐ存在がきっと必要になってくるであろうという思いと、多くの会社がそうであるようにプロダクトマネージャー不足に悩んでいました。

私としてはこれまで、CS(ここではカスタマーサポート全般)組織の立ち上げや、エンジニアとCSの連携不足によって問い合わせが捌けていない状況をなんとかするといった、わかりやすい課題を解決してきた経験はありましたが、問い合わせをうまく捌けるようなった「その先」のCREとしてチャレンジできる環境を求めていました。

CREは主にユーザーからの問い合わせを元に課題を特定し、プロダクトの改善につなげていきます。
ユーザーの課題を特定するということは、プロダクトマネージャーの重要な役割でもあり、課題特定のための作業範囲はインタビューやデータ分析、市場調査など、CREよりもっと広くなります。

「その先」のCREを考えたときに、ユーザーとも経営層とも近いところで、世の中に本質的な価値を届ける立場として活動するにはプロダクトマネージャーという肩書を与えられることが重要になると確信しました。また、エンジニアとしての経験から「自分で特定した課題を自分で解決すること」ができるかもしれないという部分にも魅力を感じ、OLTAに入社することにしました。

プロダクトマネージャーとしてなにをしたか

プロダクトマネージャーとして私に与えられた課題は、INVOYにアカウント登録したユーザーがコア機能である請求書発行に至る割合(コンバージョン率)の改善でした。

まずはプロダクトマネージャーとしてユーザーの課題を特定するべく、ユーザーへのインタビューを実施しました。 本格的なインタビューの企画から対応まで行うのは初めてでしたが、これは本当にやってよかったと思います。 インタビューでは、あらかじめ課題とその解決策となる仮説を設定して臨んだのですが、実はその仮説はあまり効果が無いことがわかりました。 それよりも、ちょっとした雑談であったり、「他に何かご要望はありますか?」といった質問で得られる回答が重要でした。 インタビューに回答してくれるようなユーザーは熱量が高く、プロダクトが本当に好きで良くなってほしいと思っているため、色々なことを話してくれます。 これにより私自身も顧客解像度がぐんと上がり、ユーザーの課題を自分ごととして捉えられるようになりました。 ユーザーインタビューについては、どんな職種であっても入社後のオンボーディングの一環として採用してもいいのではと思います。

インタビューの後は、ユーザーから集めた意見から解くべき課題を特定します。
ここでは、CRE時代の経験を活かすことができました。 請求書をかんたんに作成、発行できる。これはカスタマーサクセス文脈でいうところのWow体験です。 アカウント登録から請求書発行に至るまでの過程をファネル分析して、プロダクトに価値を感じてもらうまでの過程を「エフォートレス」な体験にするために何をするべきか、ユーザーの声や行動分析のデータから定義していきました。

解くべき課題が明確になったら、エンジニアの経験がさらに活きてきます。具体策とその工数をセットで考えることができるので、最適な順番で素早くリリースまで持っていけます。
この体験は、エンジニアからプロダクトマネージャーになることの明確なメリットだと感じました。

施策の効果により、数値は大きく改善しました。

登録後の請求書発行率の推移

プロダクトマネージャーになるときに気をつけたいこと

よく言われることではありますが、エンジニアとして自分で実装できるだけに、自分ができる範囲での解決策から考えてしまうという罠にはまってしまいました。エンジニアに、課題ではなく私自身の仕様理解と技術力に基づく実装を伝えて、それがプロダクトとユーザーにとっては最適なものではないということがありました。また、先述した「自分で特定した課題を自分で解決すること」に固執したり、過去に経験したプロダクトの成功体験をそのまま適用しようとしたりしてしまうことも。 プロダクトマネージャーの一番の仕事は「ユーザーの視点に立ち、解くべき課題を特定すること」です。これまでユーザーに近い立場で仕事をしていたにもかかわらず、実際やってみると難しかったです。アンラーニングの大変さ、謙虚になることの重要さを感じました。

改めて、エンジニアからプロダクトマネージャーになる方法

私はもともとプロダクトマネージャーになりたかったわけではないですが、結果的に、エンジニアとプロダクトマネージャーの間を埋める存在として、CREという職種の経験が非常に役に立ちました。

CREはプロダクトマネージャーの領域であるWhy/Whatと、エンジニア・デザイナーの領域であるHowの間をつなぐような役割だと思います。

プロダクトマネージャー(PdM)とCRE、一般的なエンジニアの役割と重要度

役割 PdM CRE エンジニア
課題を特定する
要件定義
実装

すぐにCREになることは難しくても、CSと一緒にユーザー目線に立った開発をすることは可能だと思います。 プロダクトマネジメントトライアングル の、左側から経験を積んでいくイメージです。

DevelopersからUsersに向けて領域を拡げていく

CREの役割や何をしたらいいのかといったことは、また改めて記事にしたいと思っています。
私の経験が、プロダクトマネージャーを志すエンジニアの一つのロールモデルになれていたら幸いです。

最後に

OLTAでは、ユーザーに価値を提供し、事業を成長させるサービスを一緒に作る仲間を募集しています。 もし、この投稿にご興味を持っていただけたら、是非カジュアルにお話しさせてください。

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